書斎をレンタルするということ
書斎レンタルのサブスクリプションサービスを利用し始めて、3か月が経ちます。
私は平日会員なので、平日はほぼ毎日書斎に通っています。
私にとって書斎は、本のネットカフェのようなものです。
私の通っている書斎はこんな所です。
まず、料金は定額制。平日会員の場合、コーヒーがサービスでついてきます。
このコーヒーが美味しい。
ネカフェのコーヒーは自販機のものですが、ここのコーヒーはこだわりのあるハンドドリップ。
ここのコーヒーに慣れてしまった私は、市販の安いコーヒーが飲めなくなりました。
なんてこった。
そして、1万冊の蔵書が読み放題。
ネカフェにはせいぜい雑誌くらいしか本がありませんが、こちらは本がメインです。
雑誌や漫画も厳選されたもののみ置いてあります。
蔵書のラインナップも私の趣味に近いので、「読みたい本がない」ということは、今のところありません。
昔から、本に囲まれた生活を送るのが夢でした。
大学を卒業したら、大きな図書館の近くに住む! と周りに宣言していた私は、結局大きな本屋さんの近所に住んでいます。
本屋の近くに住む、というのは、活字中毒者にとってはかなり危険なことです。
下手したら、一日中、本屋を巡って散財して終わります。
一時期は大きな本棚を購入し、本当に本に囲まれた生活をしようと試みたのですが、部屋が狭く、圧迫感がすごかったのと、地震で本に潰される危険性を感じて断念しました。
そんな私なので、レンタル書斎はまさに夢の空間。
自分で管理する必要もなく、きちんとジャンルごとに整理された本が読み放題なのです。
ネカフェのように時間制ではないので、時間に追われて急いで本を読む、ということもありません。
そして、建物がきれい。
「書斎」と呼ぶにふさわしい内装へのこだわりが感じられます。
選び抜かれたソファや椅子、テーブル、照明、音楽。
会員は個室利用もできるのですが、その個室も掃除が行き届いており、いつもきれい。
徹底的に整えられた環境が作られているので、余計な雑音もなく、作業に没頭できます。
そして最後に、スタッフの方の温かみのあるサービス。
ここは、1階が本屋さんで、2階、3階に書斎があるのですが、スタッフの方は本屋の店員さん&ホテルのコンシェルジュのような存在です。
いつ行ってもスタッフの方の対応が温かく、そして言葉遣いが丁寧。
自分が大切に扱われていることを実感できます。
適度な距離感で放っておいてくれるので、こちらも気兼ねしなくて済みます。
毎日のように通っても、その距離感を崩すことなく、同じ対応をしてくれるのも、とても好感が持てます。
私のようなフリーランスで働く人間にとって、職場と家の中間地点にあるこの書斎は、心地よいサードプレイスになっています。
私の家は街中にあるため、どこかに移動したり買い物をしたりする分には便利なのですが、家にいると日中ずっと続く工事の騒音に悩まされていました。
どこかのマンションの改装がこないだやっと終わったと思ったら、その隣にまた新しいマンションが建つ。その繰り返しが年中続きます。
朝8時から始まる工事の音で目覚めることもしょっちゅう。
コロナ禍になって、家で仕事をする機会が増えるとなお、この騒音が邪魔で気が狂いそうになりました。
そんな時、書斎の存在を知り、個室利用をしてみて驚きました。
「こんなに集中できたことが、最近あっただろうか?」と。
よく作家さんがホテルに缶詰めになる、という話を聞きますが、日常や仕事のごちゃごちゃから離れ、環境の整備された空間に身を置くことで、こんなにも集中できるようになるとは思いませんでした。
特に個室は人一人が入ってちょうど良いくらいの広さで、机と椅子、ソファ、ライトがあるくらいなのですが、この中に入ると、作業がめちゃくちゃはかどる。
ネカフェにはない、内装の高級感も相まって、繭玉の中にいるかのような、不思議な安心感に包まれながら、時を過ごすことができます。
仕事のアイディアに煮詰まったら、1万冊の知識がすぐ手の届くところにある。
この、知識にいつでもアクセスできる、という状態も、とてつもない安心感を与えてくれます。
これはネットで検索するのに似て非なるものです。
ネットでは大量の情報にアクセスできますが、その真贋を見極めるのに時間がかかり、非効率に感じることも多いです。
ここの蔵書の場合、「本になっている」のと「選書されている」という知識のダブルチェックが入っているため、自分で知識を選別する手間がかなり省けます。
最近は、様々なサービスのサブスクリプションが増えてきましたが、書斎のサブスクリプションサービスは読書家やサードプレイスが欲しい人にはお勧めのサービスだと思います。
お題「#買って良かった2020 」